村上建築設計室です。
授業にでてきたキーワードに「まちに住む」というのがありました。
で、思わず遠い目…。
ずいぶん前に「ハウスコンペ」というネットコンペに提案を思い出しました。
(ハウスコになるまえのハウスコンペ時代。15年前くらい??)
お施主さんは、街の雰囲気と敷地の隣の公園が気に入って、
その土地の購入を決めたとのことで、「この街で子ども達を育てたい」
というお気持ちがよくわかりました。
前面道路はこんな感じ。
公園の先に敷地があります。
そこで提案したのが「まちにすむ」という暮らし方。
(なんと、提案書がありましたよ、少し黄色くなって)
気に入ったこの街や、街に住む人の気配を感じられるよう、
街と住まいとの距離(バッファー)をとって、
通りに面してもカーテンを閉めずに暮らせる住まい。
という、当たり前な考え方の提案でしたが、
バッファーをとるためと予算のことから面積は施主さんの希望よりも小ぶりに。
この時は、お施主さんの最終選考3組まで選ばれて(^^)/
面談もしたのですが、結果は「採用案なし」(T_T)/~~~
その後、きちんとその理由についてのご丁寧なメールをいただきました。
容積率をいっぱいに使いたいというご希望と、
私たちの提案とのギャップが埋まらなかったことが一因ですが、
そこに添えられた最後の言葉が重かった(笑)
「街にかかわっていく」という考えが具体的によくわかりませんでした。
チーーーン。
自分達の至らなさを思い知ったのでした。
でも。あれから十数年!
やっぱり、住まいと街との関係、内と外との関係は、
いまも一番大切にしたいテーマだな、と思います。
何よりもその接点の風景が大好きです。
人がちょっと小さくなってしまって、
「ちょっとインチキ」なスケッチもとてもいい思い出です(笑)。
ちなみに、家づくり学校で刺激を受けた「まちにすむ」は、
もっともっと、視点が広くてわくわくする「すむ」でした。
イタリアの「アルベルゴ・ディフーゾ」という言葉もはじめて知りました。
「点在して広がる宿」という意味だそうです。
暮らしの機能が、街全体に点在されていて、街全体が異邦人におもてなしをするような、
とても魅力的な「空き家活用」の宿。
うーん。体験してみたいし、そんなふうに好きな街に住んでみたい!!