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村上建築設計室です。

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6月のクラスクール。テーマは「子ども」

6月のクラスクールのお知らせです。
6月28日(日)10:30~12:00
「子どもの自立を育む家づくり」をテーマにしたオンライン勉強会です。

今月は、参加しているハピケンとのコラボ開催です。
場所にしばられずに、参加できるところはオンラインの良いところの一つですね。

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6月のKURASCHOOL(クラスクール)

オンライン勉強会&お話会

「子どもとの暮らし」をテーマに、
子育て世代の家づくりのヒントをお話いたします。

10:30~12:00 オンラインセミナー「子どもの自立を育む家づくり」
12:00~12:30 お時間が許す方は、子育てについての気軽なおしゃべりを^^

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6月のクラスクール。テーマは「子ども」_b0118287_09284820.jpg

お申し込みは、こちらのフォームよりどうぞ。

https://ws.formzu.net/fgen/S6399305/

お申し込みの方には、後日詳細のご案内をさせていただきます。

【私の子育て】
私自身は、高1女子、中2男子の子どもがいます。
あっというまに思春期ガール・ボーイに育ってしまいました。
子育てにはいろいろあるある。
住まいは、そんな「いろいろあるある」を見守るようなおおらかさがあればいい。
そう思っています。

そうそう。
彼らの原風景は、祖父母と一緒にのびのび過ごした栃木にあるようです。
(写真は渡良瀬遊水地)

仲睦まじかった姉弟は、10年経った今…
弟をこきつかう姉と、(いろいろ状況を考えて)それに従う弟に育ちました(笑)
まぁ、どっちもどっち。いいバランス。

murakami-design.com

栃木・埼玉の建築家集団
ハピケン hapi-ken.com

NPO西川森の市場
http://www.morinoichiba.net/


# by murakami-design | 2020-06-06 09:30

スケッチで建物を物語る。

先日古いMOディスクより、ふたたびなつかしいデータです。
2002年ごろ(遠い目)、、、


「見たものをスケッチにしながら建築分析をし、自分のデザイン力を高める」
練習をしていました。
その時のスケッチデータが入っていて、思わずキュン。



美術館などの公共施設を見学して、そのシークエンス(場面の展開・つながり)をおいつつ、
その建築からどんなことを感じ、設計者はどんな意図を思ってその形にしたのかを
スケッチと文章で記すというもの。(楽しくても大変!笑)

スケッチで建物を物語る。_b0118287_07160894.jpg



写真のスケッチは、上野公園にある法隆寺宝物館。
この建築は好きで、何度も見に行きました。

スケッチで建物を物語る。_b0118287_07151626.jpg

↑たとえば、この建築は、このようなアプローチをしているのですが、


スケッチで建物を物語る。_b0118287_07152109.jpg

① アプローチを進むと、ガラス面に写る向かいの建物が大きくなり、


スケッチで建物を物語る。_b0118287_07152688.jpg



②方向転換をすると、その建物も動いて見え方が変わり


スケッチで建物を物語る。_b0118287_07155930.jpg

③さらに方向転換すると、風景が止まり、また大きくなっていく。



と勝手に物語るという作業です

振り返ると、この作業で、設計の引き出しをたくさんつくるトレーニングになったなぁ…
と、実感しています。



スケッチは、人に見せるだけではなく、考えるための手法。
「目を養い、手を練れ!」とは建築家・宮脇檀さんの言葉。
日日是精進です。


スケッチで建物を物語る。_b0118287_07191599.jpg


スケッチで建物を物語る。_b0118287_07193183.jpg


ちなみに建物は、1999年開館、谷口吉生さん設計の法隆寺宝物館@上野です。
写真の見学日は2001年5月13日でした。(画像のプロパティ情報によると)

また久しぶりに行ってみたくなりました。



村上建築設計室 murakami-design.com


# by murakami-design | 2020-06-05 07:22 | クラスクール

MOディスクからの便り。辰巳さんとの出会い。

先日、引き出しの奥から、ずいぶん前に使っていたMOディスクを発見しました。
もう、その懐かしい姿かたちに心躍り…!

MOディスクからの便り。辰巳さんとの出会い。_b0118287_20053565.jpg




中身を見たくなって、CD-ROMにダビングしてくれるお店に頼んでみました。
本日届いたので見てみると、2000~2008年ごろのデータが入っていました。

まだ見きれていないのですが、比較的新しいフォルダに、収納コラムの原稿が。
以前、旭硝子の「ハローアーキテクト」というコラムのリレーページに寄せたもの。
すっかり忘れていました。(当時のサイトももう閉じられていました)

2008年夏の文章。辰巳渚さんの哲学との出会いが書いてありました。
場所は目白の自由学園明日館。
しみじみ…

MOディスクからの便り。辰巳さんとの出会い。_b0118287_20141639.jpg


----長文ですが備忘録----

「収納。家族で考えよう。」
2008/7/29

収納をなんとかしたい!
家づくりを機に「収納を何とかしたい」と思われる方、結構多いようです。
私達が伺う要望にも、必ず「できるだけ収納を多めに」とか「壁面収納でスッキリ暮らしたい」というものがあります。
その裏には、現状の収納についての不満があり、新築と同時にその問題点をスッキリ解消したいという思いがあるのでしょう。


ただ、この収納計画。「なるべく」とか「スッキリ!」といった漠然とした要望のままでは解決しません。
現在の収納を見せてもらったり、リストを作ったりして、じっくりと話を聞いて収納計画を具現化していきます。
それなのに、これだ!という解答がなかなか見つからない場合もあります。
建て主さんも「本当に大丈夫かしら?」という不安が拭えない。
そして、どうやらただ単に容量を増やしたり、雑誌やカタログを真似た収納空間や家具を用意したりしても意味がないことに気づきます。


収納計画。その前に!

私自身、「しまうこと」が得意ではありません。
また、十人十色の「家づくり」の中で、漠然としたところから具体的な「しまい方」を見つける手立てを整理したいと思い、
「家事塾」主宰の辰巳渚さんのセミナーを聴いたりしています。
そのセミナーは「なぜかスッキリできない」女性達で盛況。
ワークショップ形式で自分の暮らしの現状を見つめ、気づき、その解決方法を探っていますが、
その中で「自分なりの秩序」を身につけることが大切だということが言われました。
この「秩序」という言葉、建築においても重要なキーワードです。
建築とは、空間を秩序付けること。
(ルロワ・グーランによると)混沌と広がる宇宙の中で自分の周りに秩序を与えるために住居をつくったといいます。
モノと人との関係においても、モノがあふれ、混沌とした状態にあるのが現代なのでしょう。
逆に言えば、「モノと自分」との関係において「自分なりの秩序」を見出せない状態が片付かない状態だとも言えるのかもしれません。
ここでの秩序とは、収納場所というハードだけでなく、自分が「モノとどう付き合うか」というソフトが重要です。
これが「暮らし方」です。

暮らしをみつめることから。

家づくりは、自分たちの“これまで”と“これから”の「暮らし」を見つめるとてもいい機会です。
例えば、どういうモノを、どういうルールで、どの位持つのか。
家族で話し合い、家族での考え方をみんなで共有します。
これが固まれば、どの場所に、どの位の収納容量が、どのような形であるのが最適か、自ずとわかってくるでしょう。
そして、実際の生活でも家族みんなの協力が必要不可欠。協力がなければ元の習慣に戻ってしまうし、
片付け役になる人のストレスばかりが爆発してしまいます。
ゴミの出し方なども含めて、家族みんなが役割を共有しやすいように、家づくりとあわせてまずは、ルール作りをしてみてください。

それから、実際の設計においては、作りこみすぎないこと。これが大切。
よく家電製品にあわせて収納棚を作ったら、モデルチェンジをした時に収納できなくて困った、ということを聞きます。
あまりに完璧に作ってしまうと、住みながらのアレンジもできないし、ちょっと不便が出たときに(気分的に)破綻してしまいます。
家族での考え方やルールというソフトはしっかりと充実させ、実際のハードはざっくりと。
DIYでアレンジできるくらいの気楽な方がいいと思っています。



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# by murakami-design | 2020-05-26 20:18 | 家事セラピスト

ジェネレーターになりたい

村上建築設計室です。
お世話になっている家づくり学校は、建築家の泉幸甫先生が校長です。
泉先生といえば、アレグザンダーの『パタン・ランゲージ』。
その手法と設計プロセスを、実務で実践されておられ、
出来上がる空間は、アレグザンダーの言葉以上の説得力です。
(実際に空間体験すると、ゾゾっときます。)







学生時代は、言葉すぎて深く読み込むことができず、
この本を「自分ごと」にとらえることができなかったのですが、
何度か泉先生からのことばを聞くことで、再読し、
そもそものアレグザンダーの意図や試行錯誤の過程に触れ、
今では仕事の必携書です。


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そこからのきっかけで、知ったのが井庭崇先生の「パターンランゲージ」の考え方。
あまたある良い経験則をパターン化し、他者と共有できる「ことば」を与えることで、
知恵の共有を図り、よりよいプロセスをつくるための考え方とツールを開発されています。
それこそ、あらゆる場面でのパターンをがあって、ワクワクします。


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アレグザンダーの『パタン・ランゲージ』も、井庭先生の『パターン・ランゲージ』も、
抽象と具象の橋渡しをする役割をもち、同時にコミュニケーションの橋渡しをしますが、
私は、なかでも後者「人と人との共通理解を図るための共通言語」としてのパターンの役割が興味深い。
家づくりの場面でも活用したいと思っています。

さらに、2019年は『クリエイティブラーニング』という学びのあり方を知りましたが、
教育の場における教師像を「ジェネレーター」という言葉で表現されています。
(井庭先生編集の、その理論と創造的学びの実践者との対談集、おすすめです)



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「ジェネレーター」とは、
井庭先生と「探究する学び」の開発者であり、探究して学ぶ場づくりをしている市川力先生がつくった造語だそうですが、
その役割がとても面白い。先の著書によると、
「プロジェクトでの創造的な活動に、自らを参加者として入って一緒につくりながら、
自分の創造性も他者の創造性も刺激しつつ、たくみにコミュニケーションを誘発し、
アイディアを生成するという教師像」
とあります。

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これは、たぶん、家づくりの場面での設計者のあり方にも通じるものがあるぞ。
本を読み進めながら、そんなワクワクした思いが募って、自分なりの家づくりの哲学にも
大いに刺激と影響をいただいたのでした。

この1年、その「ジェネレーター的な設計者」としてのあり方については、
折々に、気づきや発見の連鎖があり、線がつながってました。
ただ、日々のあわただしさの中で、落ち着いて思考を整理することができませんでしたが、
この1カ月ほどの時間でじっくりと深めることができたように思います。




「やりたいことがわかったぞ」
これも、自粛生活の思わぬ成果。



# by murakami-design | 2020-05-22 09:13 | 私たちの仕事

悠々として急げ

村上建築設計室です。

昨日に引き続き、自宅で仕事生活の
自宅で仕事をするということで、一番変わったことは、
「時間」と「移動」ということに関するコストです。

というのも、移動が無くなるということで、これまでの移動時間に、
打合せを入れることができます。

たとえば、先日は飯能のお客さんとの打ち合わせでしたが、
これまでなら電車に乗って飯能に着く前、それこそ、自宅を出て池袋に行き、
西武池袋線に乗るまでの移動時間で、打合せが終了できてしまいます。

その便利さにも、最初は「わーーーーい!」なんて、
無邪気に喜んでおりましたが、そんな時間の感覚のなかで、
ついつい、予定を入れすぎてしまうことに…(´・_・`)

仕事に限らず、これまでやらねばと思っていたこと、
将来に向けてやっておきたいこと、など、ワクワクは山のよう。

アクシデントや状況が変わって、1日の予定変更があると、
その調整が思いのほか大変なことも、やってみての発見でした。
(その代わり、仕事仲間とのちょこっとミーティングは、調整がたやすい)

これまでも自分の時間の提供が報酬につながっていることには違いないのですが、
どうも、設計する仕事は無意識に「時間のコスト」を度外視しがちでした(笑)

つくることは楽しくて没頭しちゃうから、意識にあがってこないのだろうけれど、
その無意識を、ひょんなことから自覚できたのは、今回の自粛生活の発見です。

自分とあらゆるひとの時間に誠実に。
無頓着だったこれまでの自分にも、反省を込めて。

そして、たくさんある「やりたいこと」に邁進するために。
てんちゃんからの啓示。(本当は開高健さん)


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悠々として急げ。
(でも邪魔してるよね*_*;)




+++
追伸。
移動に関わるコスト(交通費)の削減も目を見張るものがありますが、
その分は、家族のオンライン準備や、食費やおやつ代(意外にコストアップ!)と相殺されたな。


# by murakami-design | 2020-05-21 10:52 | 日々のこと